NPO法人 日本アレルギー友の会

気管支喘息体験記
ぜん息との闘い・快復への思い

2018年3月31日

東京都 H.M (42歳)

苦しいときは、あと何時間で薬が飲める、そんなことばかり考えていました。内服や点滴で、体の中にたくさんの薬を入れていると、本当に良くなるのだろうか、これからどうなってしまうのだろうと泣きそうになりました。風邪が治って咳がおさまっても、常に呼吸が苦しかったです。

このようなつらい体験をされたH.Mさんですが、今は専門医の指導のもと、薬の使い方も覚えて自己管理ができるようなり、特に夏の間は楽な時が増え、吸入薬を忘れそうになるくらい呼吸のことを気にしないことが多くなりました。仕事も以前よりペースを落として再開しました。今は海外旅行に行ける日を楽しみにしていますとのことです。

幼い頃からアレルギー体質

私は幼少時からアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎を患ってきました。ぜん息は10代後半の頃、猫を飼っている友人の家に宿泊していたときに発作が起きたのが最初です。動物の毛に反応したのですが、それからは猫や犬のいるところや、ハウスダストの多い環境に行くと発作がでました。あるとき、古びた民宿に泊まって発作を起こし、外で休んでいたら近所の年輩のご婦人が発作を鎮める吸入薬を貸してくれました。一度吸うと症状が消えていきました。これはぜん息かもしれないと思ったのですが、朝になると症状は消えているし、発作は外泊時だけだったので、環境に気をつけるようにしただけで済ませていました。ぜん息について無知だったと思います。

 

咳ぜん息・ぜん息で病院を転々

一歳のときから患っていたアトピー性皮膚炎は、出産後、症状が無くなりました。またいわゆるアトピー型のぜん息発作は、30代では外泊時の一度だけでした。しかし39歳の時、風邪をきっかけに咳ぜん息を発症し、その後成人ぜん息に移行してしまいました。ぜん息と言っても、若いころのようなぜい鳴を伴う発作は、今はほとんどありません。風邪などに反応して出る痰の絡んだ咳、それに伴う息苦しさが今の症状です。10代、20代の頃の発作は、朝になると消えましたが、今のぜん息は悪化すると何日も苦しさが続きます。

3年前、子どもを保育園に預け働いていました。子どもがよく風邪を引くようになり、そのたびに私ももらってしまい、そのうち長らく咳が止まらなくなりました。近所のクリニック、総合病院の内科・呼吸器内科をいくつかめぐり、そのたびに様々な抗生物質や強い咳止めを処方されましたが、良くなりませんでした。聴診してもぜい鳴がなく、ぜん息と診断されず、風邪の延長のような治療でした。咳が止まっても、息苦しい胸の閉塞感がとれず、大きな病院でCTを取りましたが異常がなく、問題ないとのことで帰されました。

ようやく呼吸器内科の、ある先生から咳ぜんそくとの診断をされました。シムビコートの吸入を始めました。使ってしばらくすると症状は良くなり、後2ヶ月続けたらやめて大丈夫です、とのことで、吸入薬の使用をそこで一旦やめました。

吸入ステロイドをやめて2カ月経った春、風邪を引いてしまい、また苦しくなりました。シムビコートの使用を再開したのですが、今度は一向に良くなりませんでした。一カ月経ち息苦しさが取れないので、きちんとぜん息を専門にしているお医者さんを探そう、と思い立ちました。その時出会ったのが今の主治医の先生です。

診察では、毎回時間をかけて丁寧にカウンセリングをしていただきました。息苦しい、と言うと、どんなふうに?いつ?と詳しく聞かれ、仕事・家庭・習慣など日常生活までヒヤリングされ、改善できるところを一緒に考えてくれました。アドエア・エアゾールを処方され、毎日続けるように言われました。

 

つらかった一年

それでも息苦しさが取れないため、一時的に経口ステロイドを服用し、良くなったと思われた矢先、2016年6月旅先で風邪を引いてしまいました。湿った咳が出て、夜も眠れなくなりました。このときは1カ月近く、点滴を繰り返し経口ステロイドを服用し続けました。

このときから、私は風邪ばかり引くようになりました。同じ年の9月に引き、10月には二回、12月にインフルエンザにかかり、翌年3月にも風邪を引きました。そのたびに、症状が悪化しました。私の場合、まず気管支のあたりが痒いような不快感が起こり、軽い咳がだんだん痰まじりの苦しい咳に変わっていきました。ぜい鳴はあまりありませんが、悪くするとピークフローがガクっと下がりました。風邪を引いた後は、点滴に加え、5日間は一日あたり28~24ミリの経口ステロイドを飲み、その後は20ミリずつ処方してもらいました。薬を飲んでいるのになぜか5日目くらいから、さらに悪化することがあり、夜間の救急外来にもよく駆け込みました。主治医からは、喋ると刺激になるからなるべく喋らないようにと言われました。しかし、幼い子どもと話さずにいるのはあまりできず、結局そのようにできませんでした。

一方、長引くステロイド内服の副作用が心配で、勝手に途中で減量してしまうこともあり主治医に怒られました。そのため、治療がかえって長引いたことがありました。ぜん息が良くなって一週間経たないうちにまた別の風邪にかかり、ということもあり、秋から冬にかけてはずっと薬を飲んでいたような状態でした。

苦しいときは、あと何時間で薬が飲める、そんなことばかり考えていました。内服や点滴で、体の中にたくさんの薬を入れていると、本当に良くなるのだろうか、これからどうなってしまうのだろうと泣きそうになりました。風邪が治って咳がおさまっても、常に呼吸が苦しかったです。

他の人は吸入ステロイドで良くなっているのに、自分が良くならないのはどうしてだろう、と悩みました。吸入ステロイドによる治療を続けていると風邪を引きにくくなると言われましたが、そのことが信じられませんでした。風邪を引いてぜん息が悪化したと周囲に言うと、風邪を引くのは自業自得だと考える人も多かったです。神経質なくらい風邪予防には気をつけているはずでした。一番辛いとき、主治医から「大丈夫。良くなりますよ」と言われました。その一言が有り難かったです。

 

楽な日が増えるが・・・

それから、家族や周囲の協力も得て、体第一の生活にしました。仕事をしばらく休養させてもらい、子どもの保育園もしばらく休みました。できるだけゆったりとした生活にするようにし、かぜ予防に運動をとヨガを始めました。ヨガはストレス解消、楽しみの時間です。それからしばらくは風邪を引きませんでした。吸入ステロイドも一年続けて、やっと少しずつ効果が実感できるようになりました。特に夏の間は楽な時が増え、吸入薬を忘れそうになるくらい呼吸のことを気にしないことが多くなりました。仕事も以前よりペースを落として再開しました。

しかし、秋から冬にかけて、また症状が悪くなりました。風邪を引いたり、風邪を引いた自覚がなくても何かの拍子に調子が悪くなりました。空咳が少しの間続いただけで息苦しくなり、一気に悪くします。特に明け方の咳が苦しく、よく目が覚めました。悪くしてしまうと、ステロイドを内服したり点滴をしても、快復に時間がかかります。風邪によるぜん息がおさまっても、外の冷気に触れたり、たくさん喋ったりすると、咳は出ます。それでも、ゆっくりですが、徐々に良くなって行きます。昨年と比較すると少し楽になりました。

 

辛くなり悩んだり、主治医に相談しきれないことがあるときは、友の会の交流会や講演会に参加したり、メールや電話で相談にのってもらいました。本当に心強いです。自分だけが辛いわけじゃないと、いつもはっとさせられます。私がぜん息患者として体験していることはまだわずかだなあと思います。

普段はアドエア・エアゾールを朝夕2回ずつ、キプレス、クラリスロマイシン、アンブロキソールを各一錠ずつ毎日服用しています。私はいつも悪くなったときの治りが遅いので、それが少しでも短く済むようになればいいなあと思っています。いつかマスクをしないで人と会ったり、好きだった海外旅行にまた行きたいです。