NPO法人 日本アレルギー友の会

アレルギーの病気克服へ 国の研究班が初の提言

2018年6月25日

当会も参加している「患者から見たアレルギー疾患対策研究会」で掲げているロジックモデルにある対策を国も取り組んでいく方向になったようです。

この中では、アレルギーのメカニズムを解明して、予防や治療につなげるなどの「基盤研究開発」や、年齢によって症状が異なるアレルギーの特徴に合わせた診断や治療法を開発するなどの「重点研究開発」、それに患者の意見を取り入れて効果的に研究を推進するなどの「横断研究開発」の3つの柱を掲げています。

3つ目の「患者の意見を取り入れて効果的に推進する」というところに患者会として当会も関わっていきたいと思います。

 

 

NHK NEWS WEBより   

2018年6月23日 18時33分

アレルギーの病気克服へ 国の研究班が初の提言

アトピー性皮膚炎や花粉症など、国民の半数が発症しているとされるアレルギーの病気を克服するため、今後10年間の研究の方向性を示した初めての提言を国の研究班がまとめました。アレルギー患者の数を10%減らすことなどを目標に掲げていて、国はこれを基に検討を進めて、具体的な戦略を決めることにしています。
アレルギーは、体内に入り込んだ異物に免疫が過剰に反応することで起きる症状で、アトピー性皮膚炎や花粉症、それに食物アレルギーなど、国内の患者は2人に1人と急増しているとされ、日常生活に影響が出たり、場合によっては死亡したりするケースもあります。

国はアレルギーや免疫が関係する病気について、研究の中長期的な進め方を検討していて、専門の医師などで作る厚生労働省の特別研究班が、今後10年間の研究の方向性を示す提言を初めてまとめました。

この中では、アレルギーのメカニズムを解明して、予防や治療につなげるなどの「基盤研究開発」や、年齢によって症状が異なるアレルギーの特徴に合わせた診断や治療法を開発するなどの「重点研究開発」、それに患者の意見を取り入れて効果的に研究を推進するなどの「横断研究開発」の3つの柱を掲げています。

そして、10年間で遺伝子や生活環境なども考慮した、患者一人一人にあった医療を実現し、患者の数を10%減らすことや食品や医薬品を原因として、重いアレルギー症状を起こすなどして死亡する患者をゼロにすることを目指すとしています。

国はこの提言を基に検討を進めて、秋ごろをめどに具体的な戦略を決め、来年度から取り組みを始めることにしています。

研究班の代表を務める東京慈恵会医科大学の玉利真由美教授は「アレルギーで悩む人は増えていて、今後10年をかけて、患者たちに研究成果が届く仕組みを作っていく必要がある」と話しています。

急増するアレルギー患者

国の専門委員会が、平成17年にまとめた報告書では、日本人の3人に1人ほどが、何らかのアレルギーを発症していると報告されていますが、平成23年の報告では、およそ2人に1人と報告され、アレルギーの患者は急増しています。

スギ花粉症を含むアレルギー性鼻炎は、国民の40%以上が発症していると考えられるとしているほか、アトピー性皮膚炎は小学生までの子どもの12%前後が発症していて、食物アレルギーは乳幼児の5%から10%で症状が見られるとしています。

また、最近ではあらゆる年齢層で重症の患者が増え、成人になってからの発症も目立っていると報告されています。

そして、食品や医薬品を原因とした重いアレルギーの症状で、平成25年までの10年余りでは、毎年30人前後の患者が死亡しています。

国は平成27年に「アレルギー疾患対策基本法」を施行し、総合的な対策を推進しています。この法律に基づく基本指針に従って、国は去年7月、地域にかかわらず、すべての患者が適切な治療を受けられるよう、アレルギー診療の拠点病院を設置して、医療体制を整備することを各都道府県知事に求めています。

また、この指針では、アレルギー研究の中長期的な戦略の策定について検討を行うことも盛り込まれていて、国は今回の提言を基に、アレルギーや免疫に関係する病気について検討を進めて、具体的な戦略を策定することになっています。

診療科連携で診断や治療も

アレルギー治療の現場ではさまざまな症状を訴える患者が多数訪れています。

名古屋市にある藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院を訪れるアレルギー患者は年々増加し、多い時期には月に1800人ほどになります。

中にはアトピー性皮膚炎が治らずに、長く病院に通っている人のほか、一般的には大人になると症状が緩和するケースが多いとされる食物アレルギーを大人になってから発症する人や、原因がよくわからないまま全身のアレルギー症状に悩む人など、患者の症状も多様化しているということです。

この病院では、去年、6つの診療科が連携して1人の患者を診る「総合アレルギーセンター」を開設し、一人一人の症状にあった適切な診断や治療法を探る取り組みを始めています。

この日は愛知県内に住む45歳の女性の患者が訪れました。女性を診察するのは呼吸器内科や皮膚科、それに眼科など各診療科の5人の医師です。

女性は眠れないほどのせきに悩まされて、この病院を訪れましたが、診察した医師はコメに触れたり食べたりすると、皮膚の炎症や強い腹痛などを引き起こす症状があったことから、アレルギーの反応が全身に出ているのではないかと気づき、各科の医師が一緒に診察をしてきました。

その結果、さまざまなアレルギー症状が起きていて、下痢や腹痛はアレルギーが原因と言われる難病の「好酸球性胃腸炎」であることもわかり、さらに詳しく調べることになっています。

女性は「いろいろな科の先生が診てくれるということで、安心して任せられます。今までの病院だとはっきりとした病名がわからなかったので、ありがたいです」と話しています。

総合アレルギーセンターの堀口高彦センター長は「アレルギーの患者が増えていることはものすごく実感している。アレルギーは全身の病気という考えのもと、今後は1人の患者さんを多数の専門医が意見を出し合い、診察や治療していくべきだ」と話しています。