あおぞら 2012年12月 第493号(内容紹介)
一面概要ぜんそく・アトピー性皮膚炎 患者実態調査集計結果
2010年のホームページリニューアルした際に、患者へのアンケートをホームページ上で実施できるようにしました。会員のみならず、一般の方からのご意見に、今の患者の実態が見えてきました。患者の生の声を反映する集計結果ができましたので、一部をご紹介いたします。
続きを読む »2012年12月10日
あおぞら 2012年12月 第493号(内容紹介)
一面概要2010年のホームページリニューアルした際に、患者へのアンケートをホームページ上で実施できるようにしました。会員のみならず、一般の方からのご意見に、今の患者の実態が見えてきました。患者の生の声を反映する集計結果ができましたので、一部をご紹介いたします。
続きを読む »2012年9月 1日
あおぞら 2012年6月 第487号(内容紹介)
一面概要独)相模原病院は小田急線の小田急相模原駅(通称オダサガ)から直線で、歩いて20分ほどの突き当たりにあります(バスあり)。
リウマチ・アレルギー疾患における準ナショナルセンターに指定されているこの病院は、古くから成人ぜんそくをはじめ、ほとんどのアレルギー疾患の治療に関して最先端の病院です。北海道や九州からもアレルギー検査や治療のために患者さんが来られています。
今回は同病院のアレルギー科で成人ぜんそくの治療・研究の先頭に立っておられ、当会顧問でもある谷口正実先生にお話を伺ってきました。谷口先生は私たちの質問にていねいに答えてくださいました。
昭和51年に日本で初めて国立病院として臨床研究部が設けられ、平成12年には臨床研究センターに拡大され、リウマチ・アレルギーの臨床だけでなく最先端の研究も行っています。
難治性アレルギー疾患の機序研究や治療、希少アレルギーの診断、新規治療法の開発などを行っています。方法としてはプリックテストや皮内テスト、血液検査等があります。
①ガイドラインや診断名だけにとらわれず、患者さんの訴えに重きを置き、病態に応じて対処しています。
②ぜんそくだけでなく身体全般を診るようにしています。重症ぜんそくや高齢の方の場合は、合併症を持つ患者さんが多くなり、ぜんそくの状態に少なからず影響します。合併病態も含めて対応することが安定化には大切と思います。肺以外の症状がひどくて、むしろ他科の先生に診てもらったほうが良いと思う時は、紹介しています。
また、検査値に異常がなくても、患者さんに症状がある場合は「異常がないから大丈夫」という対応は正しいとはいえません。検査は万能ではなく、なぜその症状があるのか、を判断し治療することが主治医の役目と考えます。追究していくことで、原因がわかってくることもあります。
限られた診察時間内で、患者はぜんそく症状しか伝えてはいけない、と思いがちです。このような考えで診察していただくと、患者は病院めぐりをしなくて良い上に「自分のことは全部わかっていただいている」と心強いですね。
吸入ステロイド薬の普及で多くの患者さんは良くなってきています。そんな中で増えているのが、喘鳴が聞こえないが苦しいと訴える患者さんです。
気管支の太いところは薬が効いて良くなりやすいのですが、末梢の細い気管支までは薬が届かず、息切れや発作が起きているのです。医師に誤解されやすいタイプです。しかし高性能の聴診器を使い、ていねいに音を聞くと末梢の空気の通りが悪いのがわかります。このような患者さんは、急患室では発作でないと誤判断されやすいですが、主治医がカルテに対処の仕方を赤ペンで書いておくと、どの医師も対応できます。緊急で病院に行った場合は、患者さんは医師にいつも使っている薬、点滴の内容を伝えるようにしてください。
最近、このような患者さんが増えていると感じていました。多くの医師に理解してほしいものです。この病院の医師はみなさん高性能の聴診器を使っておられるそうです。
肥満や受動喫煙・喫煙などはぜんそくを悪化させます。生活習慣に気をつければ良くなると思います。
いくら吸入ステロイド薬という良く効く治療薬があっても、日常生活が乱れていてはだめなのだと肝に命じました。
独立行政法人 国立病院機構 相模原病院
〒228―8522
神奈川県相模原市桜台18―1
042―742―8311
(取材 坂本直美、菅野祥)
2012年3月31日
アトピー性皮膚炎が重症化し、日常生活にも支障が出てくるような方に積極的に入院療法を勧めている東邦大学医療センター大橋病院皮膚科教授の向井秀樹先生に入院治療の実際をお聞きしてきました。
アトピー性皮膚炎は適切な治療や生活指導を行わないと慢性化して、重症で治療がしにくい状態になります。そのため、皮膚炎を早く治めるために治療を積極的にする必要性があり、アトピー性皮膚炎患者に短期間で皮膚症状が改善する入院療法を積極的に勧めています。
期間は1週間程度、最重症の場合は2週間です。毎日同じチームの医師が担当することで治療の方向性が一致するようにしています。薬を塗る際、最初は医師も一緒に塗って症状を診ながら塗り方を指導していき、患者自身で塗ることができるようにしていきます。
内服薬は抗アレルギー薬と自律神経系の安定作用のある抗ヒスタミン薬を投与してまずは痒みを取って十分に睡眠をとれるようにしていきます。
体にはアトピー性皮膚炎診療ガイドライン2009に準じて重症以上の患者は、Ⅱ群のステロイド外用薬に保湿薬を混合させたものをまず使用し、症状の強いところは亜鉛華軟膏で重層貼付します。日々の皮膚の状態が改善していくことを自覚することは、退院後の治療に患者自身が積極的に取り組むことができます。また、外用薬の使用法を体得することで退院後の悪化時に対する対処法を身に付けていきます。
入院前に血液検査を行い、入院後半に出た結果に基づき生活指導を行います。また毎日外用薬を塗る処置を行う際や、病棟回診する際に患者さんから疑問点を聞き十分に説明します。
退院が近づくと試験外泊を行い、家庭や職場で悪化することがないか確認します。悪化要因を把握し、社会に戻っても悪化することのないようにしていきます。
入院中に使用したステロイド外用薬の量を測り、入院治療前後で血中のコルチゾール値を測定しました。治療前のコルチゾール値は予想に反して76%の患者さんが正常値より低いという結果となりました。しかし退院時に正常範囲に戻りました。
重症な方では副腎機能が明らかに抑制状態であり、入院療法で通常の安全域を超えたステロイド外用量を使用しましたが、皮膚症状が大幅に改善すると副腎機能も正常化することが判明しました。このことは今まで検証されていなかったことです。
1~2週間程度の短期集中型の入院療法で全ての方が劇的に皮疹は改善し、社会復帰ができます。重症の方には正しい外用方法、生活指導や対処法などの修得が必要不可欠です。また積極的に治療していくことが重症化や難治化の予防に繋がります。
所在地 東京都目黒区大橋2-17-6 電話 03-3468-1251
向井先生の診察日 火・金曜日の午前 (原則として紹介状が必要)
(取材:丸山恵理・レポート:岡田渉)
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2011年8月26日
平成23年5月14、15日に第23回日本アレルギー学会春季臨床大会が開催され、当会の丸山恵理事務局長のがアトピー性皮膚炎治療の問題点とは何か、患者会代表者からの立場から、江藤隆史先生(当会常任顧問・東京逓信病院皮膚科部長)・大矢幸弘先生(国立成育医療センター内科系専門診療部アレルギー科医長)・園部まり子氏(NPO法人アレルギーを考える母の会代表)とパネルディスカッションを行いました。外用薬(ステロイド・プロトピック)への不安、医師との信頼関係、標準治療(治療ガイドライン)の普及について話し合われました。
会場はいっぱいでメモを取りながら熱心に聞く姿が多くみられ、講演終了後丸山さんに直接、質問したり話しかけたりする先生もいらっしゃいました。
患者がこのような学会で講演できる機会はなかなかありませんが、これからも患者代表として患者の現状を先生方にご理解していただいたり、患者としてできることをしていきたいと思います。
学会に参加し先生方が患者のことを思っているのを感じました。患者さんもこのようなことを診察で感じられると良いと思いました。 (大塚裕美)
2009年12月 1日
日本アレルギー友の会のウェブサイトで公開しきれていないバックナンバーのうち一部分をPDFでご紹介しています。