NPO法人 日本アレルギー友の会

アトピー地獄を乗り越えて、アトピーに感謝

2010年9月 8日

アトピーがあると恋愛や結婚に不安を持つ方もいることと思います。アトピーがひどかったときに普通に接してくれ、良くなったときは一番喜んでくれた彼。この人ならこの先どんなことがあっても私を受け入れてくれると思い結婚に至ったとのことです。

(埼玉県 荻野美和子さん / 女性 / 31才)

瀬戸口 結婚式r.jpgアトピー症状が見えない彼?

ステロイド忌避を5年半続けた末に、都内の病院に入院をしてのステロイド治療を始めてからもう3年。私にとって辛い過去は、すでに過去の話になったようです。なぜなら毎年十月になると、入院の日を思い出していたのに、早くも三年目ですっかり忘れていたからです。 
それでも、あの人生の変わりようを想うと、今の生活は「奇跡なのかも」と思わざるを得ません。その奇跡とは、結婚。酷かった3年前には考えもしなかったことが今年の夏に起きました。

彼との出会いは大学。特にお互い恋愛感情はなく、大学で一番気の合う男友達でした。
大学卒業した年のクリスマスのこと。私の皮膚はズル剥けで、浸出液がとめどなく出て、一日中ベッドから離れられなかった頃です。 
彼から電話をもらいました。
彼:「おまえの家の近くにいるから外出て来い」

私:「今はムリ」

彼:「いいから出ておいで、待っているから」 

私:「本当にムリ」

こんなやり取りをしたのを覚えています。


いくら友達でも、男性である以上ボロボロの肌を見せることはできません。しかし、彼の「来い」に負けて、肌を極力見せない洋服を着て、外に出ました。家族以外の男性と顔合わせて話すのは半年ぶりです。普通の綺麗な肌だった時の私を知っているだけに、変わり果てた私の姿を見て、どんな表情を見せるのか何を言われるのか恐怖でなりませんでした。しかし会うと私の予想はまったくの外れ。彼はまったく反応ナシ。大学時代と変わらぬ会話が始まりました。驚くほど普通の他愛もない話をして帰っていったのです。「目が悪いのか?」と疑うほど普通の態度。けど彼が温かくて、元気をもらったのを覚えています。

それから何度か私の地元に来ては、普通の会話だけして帰っていく……変わり果てた私なのに、それに気づかないでいるかのような振る舞いをして毎回去っていくのです。その頃は、私を見て「大丈夫?」「どうしちゃったの?」と哀れむ人が多かっただけに、気にしない彼の存在は、私にとって少しずつ大きなものになっていきました。

アトピーに感謝!

アトピーが良くなりすぐ彼と会いました。良くなった私を見て、ホッとしたような表情を見せ「本当によかったぁ」と一言。そこで、初めて本当はすごく心配してくれていたのだと気づきました。『この人なら私が病気になったとしても変わらぬ気持ちを持ってくれる人なのかも』と、常に病気と隣り合わせだった私にとって、そう思わせてくれる人の存在は大きいものでした。そして彼とお付き合いすることになり、一生できないと自分の肌を見て決め付けていた私でしたが「結婚」を決意したのです。


結婚式では、綺麗になった私の素肌を両親へ一番見て喜んでもらいたく、綺麗になった肌をうんっと魅せられるドレスを選び結婚式を挙げました。結婚式は、一日で大金が飛んでいきますが、それ以上にたくさんの方から祝福をいただける最高の日です。


新居を構え、ほぼ家事をしたことの無い私は、毎日がてんてこ舞い、一気に現実に戻りました。でも彼はアトピー性皮膚炎を理解してくれます。料理は、手がかゆくなって中断することもあるけど、食器洗いをしてくれます。休みの日は、料理もしてくれます。 
お風呂から出た後は、背中にクリームも塗ってくれます。

今は、アトピー性皮膚炎でも何も不安はありません。なぜなら理解してくれる彼がいるから。
アトピー地獄を見て、彼と結ばれました。 
アトピーよ、ありがとう!