NPO法人 日本アレルギー友の会

『小児喘息』に関するよくある質問

当会の療養相談では全国から様々な相談が寄せられ、薬のこと、日常生活で気を付けること、そして同じ患者として、病気をどうとらえ、どう付き合っていくかというようなこともお話します。その中から『小児喘息』に関するよくある質問をとりあげました。

質問一覧

回答一覧

ステロイド薬には抵抗があり、使いたくないのですが?

ステロイド薬には、使用に抵抗感があり、副作用も心配なので使いたくないのですが。

吸入ステロイド薬の副作用は、ていねいにうがいをしていれば大丈夫。経口ステロイド薬は、命に関わる重症な時などに短期間使われます。

ステロイドを恐いと思うのは、気管支にしか作用しない吸入ステロイドとのみ薬や点滴など全身に作用するステロイドを同じものとして考えてしまうからではないでしょうか。確かに内服や点滴のステロイドは全身に作用するので、骨がもろくなるなどの副作用があり、医師が限定して使うものです。例えば、喘息が重症のときは、入院し、点滴などで使用することがあります。吸入ステロイド薬は炎症が起きている気管支に局所的に作用し、その後、肝臓で分解され排出されるため全身への影響はほとんどないそうです。

なんだか怖い、という漠然とした理由でステロイド薬を使わず、ぜんそくの発作を度々起こしていると、睡眠障害などの問題が発生することもあります。吸入ステロイドは、気道の炎症を抑え、喘息を改善する最も大切な薬です。ただ副作用として、口の中にステロイド薬が付着したままになっているとカンジタな どのカビが発生し、声枯れなどが発生することがあります。その副作用も、吸入ステロイドを使った後は、うがいをていねいして洗い流しておけば心配はいりま せん。のどの奥の方までガラガラとうがいをし、ぬるま湯や水を飲み、口の中に付着したステロイド薬をしっかり洗い流しましょう。

また、全身に作用する内服や点滴のステロイドは、喘息が悪化して一命が危ぶまれる時、入院して使う場合や、特に症状が悪い時に自宅で内服して使う場 合があります。そのような時、副作用を心配して使わないでいるより、使うことによって命が救われることの方が多いのです。専門医の指示に従い、正しく使え ば心配はないと思います。

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吸入がうまくできるよい方法はありませんか?

吸入がうまくできません。何かよい方法はないでしょうか?

最初はうまく吸えなくても、親御さんが、一緒に楽しい雰囲気をつくり、吸えたらたくさんほめてあげましょう。

最初はうまく吸えなくても、親御さんが、一緒に楽しい雰囲気をつくり、吸えたらたくさんほめてあげましょう。吸入は、幼児ほど嫌がり、苦労する親御 さんが多いようですが、みなさんいろいろ工夫されています。2歳の喘息児を持つ母親は、子どもが眠った時に、携帯用のハンドネブライザーをシューッと吸入をするそうです。別の母親も、抗アレルギー薬のインタールやメプチン液を入れた器械式ネブライザーを使い、寝付いた時に吸入をさせると言っていました。まずは 親御さんが、主治医や医療スタッフから吸入の指導をしっかり受け、子どもにしてみてください。吸入薬を吸い込みやすくするために、ネブライザーの先に付け るマスク状の補助器具があります。乳幼児の場合は液が漏れないように専用のマスクをきちんと口に当て吸入薬を深く吸い込ませるようにするといいでしょう。

いやがる時には、大人が楽しそうに吸入する姿を見せたり、吸ったらたくさんほめてあげたりするなど、根気良く努力してみてください。小学生になるとマウスピースタイプも使えるようになります。これは吸入しやすくするために、ネブライザーの先に付ける器具です。噴霧された吸入液が、多少外に漏れても、吸入はできるので心配いりません。

現在、使われている吸入ステロイドのパルミコート吸入液は、生後6ヶ月以上の乳幼児に使用できる薬として、わが国でも2006年9月に発売されました。器械式のネブライザーで吸入するので、吸い込む力の弱い子どもでも自然に気管支の中に入っていき、医師にも患者にも朗報をもたらしています。ネブライザーは購入する必要がありますが、貸し出しをする病院もあるようです。

ちなみに、社団法人日本アレルギー学会で発行の「2008年度版・小児気管支喘息治療、管理ガイドライン」では、エアゾールタイプ、吸入用の補助器具に多用な薬剤に使用できるようなタイプのものを勧めています。(例えば、エアロチャンバー・プラスなど)

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夜中の発作が多い原因は何でしょう?

夜中になると発作を起こすことが多く、親子とも睡眠不足で、疲れきっています。原因はなんでしょうか?

症状が安定していない時期は、発作を起こしやすくなります。就寝前に、朝まで効果が持続する気管支拡張薬を飲むのもいいでしょう。

医師によると、気管支は夜間から朝方にかけ狭くなりやすいのだそうです。ですから、気管支に炎症を起こしている喘息患者、しかも、症状が安定していない人であれば、夜間や朝方にかけて発作が起きる可能性は高くなります。

九州に住むC君は1歳から11歳までほとんど毎夜、発作を起こし、母親は、子どもをおんぶしたり、自転車に乗せたりして、たびたび救急外来に行ったとのこと、親も子どもも長い間、枕を高くして眠ることはできず、つらい日々を過ごしたそうです。当会はC君のお母さんから相談の電話を受け、気道の炎症を とるための吸入ステロイド薬や吸入液のメプチン、ベネトリンなどによる治療法があることを説明し、医師に相談して、そうした薬を処方してもらうよう助言しました。

お母さんはさっそく薬について医師に相談し、処方してもらったそうです。薬をもらって一週間が過ぎた頃、「夜もぐっすり眠れ、発作が起きなくなりました」と当会に報告がありました。C君のお母さんは、吸入ステロイド薬があることを以前から知っていたそうですが、ステロイドと聞くと副作用のことが頭に 浮かび、使って良い薬だとは理解していなかったそうです。

夜間に発作が起きるのは、症状が安定していない状態ですから、治療が足りないと思われます。就寝前に薬を飲めば朝方まで持続効果のある気管支拡張剤(長期管理薬)もあります。夜間の発作を起こさないよう、医師に相談し、治療を続けてください。

また、症状が不安定な時は、ぜんそくの発作が急に起こることもあります。前もって緊急時の薬をもらっておき、対処できるようにしておくと良いでしょ う。気管支拡張薬で携帯用のハンドネブライザーで吸入できるサルタノールインヘラー、メプチンエアーなどがあると応急処置に助かります。いずれにしましても、基本的には吸入ステロイド薬などを使っていることが大切です。メプチンやベネトリンの液は器械式の吸入用ネブライザーを用いて吸入します。吸入用ネブ ライザーにはコンプレッサー式、超音波式、ジェット式などといろいろあるので、どういうネブライザーがよいか、医師に相談し、薬も常備しておくと安心だと 思います。

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ぜんそくが起こる原因は何ですか?

ぜんそくが起こる原因は何ですか。

子どものぜんそくはアレルギーによって起こることが多く、特にダニが多いようです。

アレルギー反応を起こす原因物質を、アレルゲンと言いますが、何がアレルゲンになるかは人によってさまざまです。なかには、アレルゲンがはっきり特 定できない場合もあるそうです。一般的にハウスダスト、ダニ、カビ、花粉、食べ物、動物の毛などにアレルギー反応を示している子どもが多く、とくにハウスダスト、つまり家の中のホコリが代表的なアレルゲンとなっています。ホコリの中には、無数のダニの死骸やフンが混じっていて、これがアレルゲンになるので す。

血液検査をしてIgE抗体の量を調べることでお子さんのアレルゲンを調べることができます。しかし、アレルギー反応だけでは説明のできない点も多く、様々な要素が「からみあって」起こると考えたほうが良いそうです。

小学生低学年の喘息児を持つあるお母さんは、子どもが2歳頃から喘息の症状が出て、いろいろな医療機関で検査をしてもらったのですが、アレルゲンが特定できなかったそうです。お母さんはダニが原因ではないかと思い、家の床をフローリングにし、カーテンも取替え、布団には防ダニのカバーをかけ、室内の清掃も心がけたそうです。正しい治療をうけ、室内の環境整備も行なった結果、そのお子さんは、今では元気に学校に通っています。ただ、母親が室内の清掃に一生懸命になりすぎ、ストレスで病気になったという、例もあります。焦らず徐々に室内環境をよくしていきましょう。

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走った後に発作が起こります。どうしたらいい?

学校で走った後とか校庭で友達と追いかけっこをしたりすると発作が起こります。どうしたらよいでしょう。

運動をすると発作を起こす「運動誘発喘息」というのがあります。運動の直前に携帯用の気管支拡張薬の吸入をすれば予防になります。

運動誘発喘息は、激しい運動した直後に発作になります。運動によって呼吸数が増加したために、気管支の粘膜から水分や熱が奪われて、刺激を受けやすくなるためと言われています。マラソンとか、サッカーなどの激しいスポーツのほか、子ども同士が追いかけっこしても苦しくなり、発作につながります。

静かにしていると呼吸が自然に戻ることもありますが、心配な場合は、運動前に予防的にインタールのエアロゾル(携帯用の吸入薬)を使うと良いと思います。インタールは抗アレルギー効果と抗炎症効果があり、副作用の少ない良い予防薬のようです。

また、携帯できるハンドネブライザーのサルタノールインヘラーやメプチンエアー(気管支拡張剤)などを運動前に使っておくと予防できることが多 いようです。一日に合計2~3回までとして、運動前に1回使っておけば予防になるのではないでしょうか。ポケットにも入るので携帯しやすく便利です。ただし、何回も使っているのに楽にならない場合は、ほかの治療する必要があります。

こうした薬を使う場合は、医師にも相談し、親御さんと学校の先生とが細かく連携をとって進めていただきたいと思います。まずは、気管支の炎症をきちんと抑えるために、日ごろから吸入ステロイドなどをきちんと使うことが大切です。専門医によると、子どもの喘息の治療は、スポーツを含めた日常生 活が普通におくれること、夜の睡眠が十分にとれること、学校を休まないこと、肺機能が正常なことなどを目標にしながら行なっているそうです。親御さんは、こうした目標を達成するためにも、お子さんの症状をきちんと把握し、医師に伝え、治療を受けることが大切です。

※2008年に4月に文部科学省監修の「学校生活指導表(アレルギー用)」財団法人日本学校保健会より発行されました。喘息などのアレルギー疾患のあるお子さんに、学校からの配慮や管理が必要な場合は、学校に、その旨を申し出てください。

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